買い物かご 2016 10 8
日本では、コンクリート構造の共同住宅を「マンション」と呼びますが、
アメリカでは、マンションは、「大邸宅」という意味になってしまいます。
日本の「マンション」は、アメリカでは、
「コンドミニアム」か「アパートメント」になるでしょう。
さて、私の家の近くの巨大マンションでは、
子供の数が減って、「通学班」が成り立たなくなっています。
「通学班」とは、子供が小学校に登校する際に、
集団で登校する通学方法です。
かつては、子供が多かったので、
一つの階で通学班が構成されていましたが、
子供が減ったので、上下の階を含めて通学班を構成し、
それも難しくなると、マンション全体で、一つの通学班を構成することになります。
こうして、子供の数が減った巨大マンションは、
いつの間にか「老人ホーム」となっていきました。
このような地域で商売を営んでいると厳しいものがあります。
その現状が、スーパーのレジに端的に現れています。
かつては、レジの行列に並んだのは、家族連れが多かったですが、
今では、高齢者が大半を占めるようになりました。
こうなると、スーパーの経営は苦しいものとなります。
家族連れの買い物かごは、商品が、かごから、あふれるぐらいに入っていますが、
高齢者の買い物かごは、商品が半分程度しか入っていません。
このように書くと、多くの人は、
「地方都市は、大変だ」と思うかもしれませんが、
私が住んでいる地域は、東京近郊です。
最近、経済のニュースでは、
デパートが閉店するというニュースがありますが、
スーパーも、やがて閉店ラッシュになる可能性があります。
このような未来がわかっていましたので、
私は、2003年から「少子化問題」を警告してきました。
2003年頃は、経営改革が流行っていましたので、
このように警告しました。
いかなる経営改革も、
少子化のスピードが経営改革のスピードを上回れば、
その経営改革は、全く無意味なものとなる。
この言葉は、10年前は、「過激なことを書くな」と批判されましたが、
10年以上たった今では、経営者にとって、共通認識になったでしょう。
この10年間の経済ニュースが、それを証明しているのです。
あれから10年以上が経過しました。
政治家は、政争に明け暮れ、
官僚は、会議に明け暮れ、
そして、日本は、老大国になっていく。
あらゆる政策の中で、少子化対策は最も優先度が高くあるべきであると書きましたが、
この10年間を見てみると、少子化対策は最も優先度が低かったと言わざるを得ないでしょう。